AI技術を巡る産業: 半導体、電気自動車、携帯電話
AIの商品の主力は、電気自動車と携帯電話である。その2つの商品を巡り多くの技術と商品材料が製造されるという社会全体の生産力構造ができている。AIの中枢は半導体生産にある。半導体は今や鉄に代わる産業のコメとなりつつある。多くの製品の主要部品として製品の心臓部・頭脳部をつかさどる役割を持っている。金融独占資本主義に代わる新しい資本主義の生産力構造の形は、半導体を胴体とし、電気自動車を右腕に、携帯電話を左腕にしてできているのである。
≪半導体≫
コンピューターや携帯電話など、現在の技術の核に半導体がある。テキサツ・インスツルメントのジャック・ギルビーが発明し、2000年にノーベル賞をもらっている。1958年、ICの基本原理を発明している。
インテルはアリゾナ州チェントラーに新しい2つの工場を建設する。7ナノ以下の半導体を製造する。投資額は200億㌦(約2兆1700億円)である。他社からの半導体製造を請け負うファウンドリー事業をも始める。マイクロソフト、グーグル、クアルコムなどの受注を進めている。
村田製作所は5Gや電気自動車の電子部品生産の工場を建設している。セラミックコンデンサーと呼ばれる電子機器の部品の製造である。一台当たりの部品の数が10倍になっている。スマホで1000個、車で最大1万個を使う。京セラもセラミック部品の生産工場を新設してきた。
≪携帯電話≫
【5G 】
ソフトバンクとKDDIは今後10年の基地局整備などにそれぞれ2兆円を投じる。ソフトバンクは2030年までに基地局35万基を整備する計画である。携帯通信の企画はアナログの第一世代が登場したのが、1980年代。10年周期で進化し続けている。5Gは法人向けの通信インフラにする計画である。IoT、オンライン医療、自動運転などの新たな市場を生み出しやすくする。(2020.11.4)5Gの伝送速度は4Gの100倍の毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットである。
5Gの通信規格を統一する動きがある。世界市場で共通の危機サービスを広げる技術的な国際標準を決め、国連機関の国際電気通信連合(ITU)で制度としてまとめる。
グーグルは2018年、ピクセルを日本市場に投入した。5.5インチの有機ELパネルを搭載したピクセル3と、6.3インチのピクセル3XLである。アップルのiPhoneに対抗する。
ネットフリックスは2007年に映像ストリーミング配信に移行した。当時のインターネットの速度は遅かったためストリーミング配信が成功するとは人々は予想しなかった。通信スピードは今後IT産業の要となる。
【海底ケーブル】
インターネット国際通信の95%は海底ケーブルである。米サブコム(4割)、NEC(3割)、仏アルカテル・サグマリン・ネットワークス(2割)で世界の海底ケーブルを独占している。フェイスブック、アマゾンなどIT 6社で作っているコンソーシアム、ジュピターが太平洋横断1万4000㎞で進出しようとしている。NECなどの日本企業と中国の競争ともなっている。海底ケーブルの市場規模は2020年130億㌦(1兆3700億円)で25年には220億ドルと見込まれている。
≪電気自動車≫
新エネルギー総合開発機構(NEDO)や岩谷産業など官民7社・団体は、2022年に福島県浪江町に大型燃料電池トラックに水素を高速充填する技術を開発する施設をつくる。世界最大級の水素製造装置を備える福島水素エネルギー研究フィールドに研究施設を新設する。
日本電産は台湾の鴻海科技集団と合弁会社を設立して電気自動車向けの駆動モーターを開発・生産する。鴻海科技は部材メーカーなど1200社が参加する鴻海グループのEV生産・開発プロジェクトを主導する。佐川急便は、広西汽車集団が生産する小型EVトラックに、日本電産の駆動モーターとインバーターが採用されたと発表した。
≪その他の技術開発と新ビジネス≫
【発電:太陽光、風力】
太陽電池の海外メーカーが日本市場に参入している。台湾のモーテックは太陽光発電パネルを販売している。ドイツのQセルズも。その他中国やカナダの企業が太陽光発電パネルの販売を行っている。
【新製品】
アマゾンは2018年AIスピーカーに画面がついた「エコー・ショー」を発売した。スマートホームへの対応を視野に入れている。グーグルも中国のレノボ・グループを通じてAIスピーカーに動画機能を付けた製品を販売している。電子レンジや壁掛け時計にも音声AIを入り、声による操作ができるようになる。
【新しい労働者の形】
ネット企業の仕事をアウトソーシングする「クラウドソーシングが、1000万人規模になっている。クラウドワークスやランサーズがマッチングでスキルを客観的に評価できるよう努力している。
【量子コンピューター】
米グーグルが、2019年、最先端のスーパーコンピューターでも解くのに1万年かかるとされる問題を3分20秒で説いた。2020年には中国科学技術大学も同様の成果を発表して開発競争が激化している。暗号通信も実用段階に入っている。全米科学技術財団(NSF)が量子技術に群れる人材区政を中高生の段階から育成を開始している。
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