悪い税を廃止せよ。健全な国家を!
税は国家の基礎である。国民は国家を作るために自分の収益の中から税を納める。その在り方には原則があり、国家はその上に構築されるべきである。第一の原則は、税制は簡単明瞭でなければならない、ということである。第二の原則は、徴税は、公平でなければならない、ということである。第三に、税は収入の一部から負担されなければならない、ということである。このような税の原則があって初めて国家は国民のものとなる。
【財政の健全化】
財政改革は80年代の土光臨調の時からの課題であり続けている。消費税導入の問題もそれと不可分に議論されてきた。
安倍内閣は、2012年の12月の発足以来、2つの約束を主な政策課題としてきた。一つは、プライマリーバランスを(基礎的財政収支)を黒字化すること、もう一つはデフレ脱却である。長期債務残高は17年末で1037兆円である。今年7月21日、菅内閣は、国と地方の基礎的財政収支黒字化は2027年度になるという見通しを発表した。プライマリーバランスの黒字化目標は先送りを繰り返している。
歳出の抑制と増税では増税による健全化は景気の停滞を長引かせるという研究がある。 政府は、社会保障費の抑制などを進めれば、25年度にゼロとする目標は達成可能と見ている。
プライマリーバランスをゼロにしたうえで、財政破綻を回避しながら巨額の長期債務残高を減らす方向をとる必要がある。財政の健全化は、基本的に財政緊縮を計画的に進める中で行われなければならない。消費税などにみられるような、不用意な増税は格差社会の中で低所得者を圧迫する形で行われてはならない。
【所得税改革】
所得税制度にはややこしい控除がたくさんあり、煩雑を極めている。控除の数が年ごとに増え続けている。さらに統廃合も繰り返しているので、国民に分かりにくい。税が政治的な人気取りに利用されているからではないだろうか?税のわかりやすさ、単純さは「国民のための国家」ということのための要素であるはずである。控除をなくし、低所得者の無税化(例えば、年間所得300万以下の世帯の無税化、年売り上げ2000万以下の小経営の無税化、など)で対応すれば、ほとんどの控除を廃止することができる。同時に税申告の煩雑さが解消される。
ことこれらの対策で、企業の対応を単純化できるのではないだろうか。 大企業は扶養手当などを設けている。トヨタ自動車は2016年1月に扶養手当のうち妻の年収次応じて支払い分を段階的に減らし、子供1人あたり2万円を支給する制度を始めている。
配偶者手当の支給基準も妻の年収103万円に設定しているので、103万円を超えたとたん、家族の収入が減る。ほとんどの控除はなくして、無税の枠を素直に拡大するのが正義にかなうのではないだろうか。住宅控除なども申請が遅れて全くもらえない人も多くいる。税の控除は不要で最初から低所得者の税をなくしたほうがいい。
【消費税】
消費税は1997年に5%になっている。その時98年にマイナス成長に陥った。2014年に8%になっている。日本の企業がリーマンショックから脱却し、投資に向かう時期であるので、消費増税を乗り越える力はある。特に金融システムが強くなっている。不良債権は1997年に21兆8000億円だったのが12年3月には11兆5000億円になっている。しかし、消費税は政府の経済運営の失敗を増税でカバーしようとするものである。消費税は、所得の中から徴収するものではないので、それ自体が邪道である。世界の先進各国が政策的失敗を消費税に移行して補おうとする傾向の波に乗っている政策であり、本来の国家を作るべき税制とは言いがたい。消費税の廃止こそが政策目標とされるべきである。本来、税は所得を得たものから徴収すべきであり、その点では、GAFAに代表されるような巨大プラットフォーマーへの適切な課税が消費税廃止と並んだ課題であるはずである。国際的税制度の網の目をくぐっている企業(富岡幸雄『税金を払わない巨大企業』文春新書を参照)への適切な徴収が望まれる。消費税分は、そのような徴税によってもカバーできるし、財政再建を行う中で、消費税に頼らなくとも歳出削減によって財政健全化は可能である。消費税を15%にすれば、プライマリーバランスは本年度中にでもゼロにできるのであるが、国民、特に一般的な庶民、低所得者の負担となり、さらに経済の低迷を招くことになる。
【ふるさと納税】
消費税ほど大きくはないが、悪法の代表的な税がある。「ふるさと納税」である。所得のあるものから徴収するということと並んで、近代税制のもう一つの原則は、「税負担の公平性」ということである。「ふるさと納税」は一部のものを優遇する税であるので、税の正義に反するものである。地方自治体はこの制度で利益を得ようとして様々な返礼品を用意しているが、愚かな努力というしかない。財政ひっ迫を加速させる政策である。ふるさと納税という制度は即時に廃止されるべきである。
≪グローバルな財政制度への動き≫
2021年7月9日G20の財務省・中央均衡総裁会議が開幕した。(2021.7.10)グローバル化に合わせた法人税の国債課税が一つの焦点である。それと関連して「デジタル課税も現実となってきている。国際的な法人税率は最低でも15%とし過剰な利益を上げている企業などに適切な課税は世界の国家を国民のためのものにする道である。
同時に世界の法人の税回避の動きに対し、世界共通の対策を取ろうという傾向がある。国家が法人税引き下げ競争をすることは愚かで、富裕者に適切の社会貢献を求めることは健全な社会の出発点のはずである。タックスヘイブンなどへの許回の共通の対策の動きとなっている。
デジタル課税は売上高200億ユーロ(約2.6兆円、利益率10%)を超える世界の100社を課税対象とする。支店や工場などの物理的拠点のない外国企業に原則として課税できないが2012年からIT企業などの国際的な税逃れへの対応として検討されてきた。サービス、ネット広告、電子商取引を行う外国法人への課税が、フランスやインドで始まっていることを参考にした国際的な課税基準の検討である。さらに対象となる企業の売上高を低くするなど、対象を広げることが検討されるべきではないだろうか。
バイデン政権は今年4月に法人税改革で法人税の課税強化の方向性を提示した。法人税収の見込み額は15年間で2兆5000億㌦(約275兆円)になる。国内のインフラ投資計画に充てる計画である。
≪中国の対外融資≫
発展途上国68か国に貸し付けを増やしている。2018年末までに4年間で倍増し、1017億㌦(10兆7000億㌦)になっている。世界最大の開発援助機関である世界銀行が1037億ドルでそれに並ぼうとしている。中国政府は貸し付けを通して外交的な政治的影響を狙っている側面もある。香港国家安全維持法を巡り、開発資金援助を受けている国が中国を指示した。中国の融資は金利が平均3.5%で世界銀行の1%を大きく上回る。中国は、一帯一路を掲げ鉄道や港湾建設の資金を融資し、中国国有企業の受注で利益を得るという構造である。
外国企業がその国の政府による手厚い補助金を受けて生産した製品を安く輸出することに対する対抗措置として「補助金相殺関税」というものがWTOに認められている。しかし関税処置で国家的な対応をすることになる。関税は、一般的に言って、今後の世界の市民社会の発展にはつながらない。補助金相殺関税も国家的政策に国家的に対応留守ものであるので将来性のある政策ではない。WTOにはもっと世界の市民社会の創造につながる姿勢を持ってもらいたいものである。
【コロナの影響】
2020年6月、欧州中央銀行は追加金融緩和を決めている。資産買い取り枠を広げている。3月に新設した7500億ユーロの枠を1兆3500億ユーロに広げている。2020年の秋にはこの枠は埋まってしまう。物価は20年の0.8%から22年には1.3%に上昇する見込みである。大規模な経済対策がコロナ対策として各国政府は打ち出している。
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